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すべての人に取材で得た”サッカーの知”を公開します!

Diary & Report

【インタビュー 指導者/根岸誠一選手】

ジーコの教えを伝えていきたい

 昨年の夏からサッカーの取材をスタートした。小学2年の頃からサッカーをはじめ、大学時代はライセンスを取得しコーチとして小学生を指導していた。大学2年から卒業後1年、当時小学校4年生から担当した子供たちを卒業まで見守った。実は彼らの卒業式にも参加した。今となっては、いい思い出だ。

 あの頃、練習や試合から帰宅すると本当に疲れきっていて、風呂も入らずよくそのまま泥のように眠っていた。というか、心がヘトヘトで体が動かなかったのだ。みなさんは経験があるだろうか? 恋愛すると、よく食べ物が喉を通らない、なんてことを耳にすると思うが、あんな感じ。次の日は頭がボーッとして、授業も身が入らなかった。

 今回の取材で子供たちの姿を見ていたら、指導者時代のことを思い出していた。キッカケは笑顔だ。私の教え子たちもすごく笑っていた。根岸さんがジーコから学んだ「基本は楽しく」、どんなことにおいても通じる言葉である。でも勝たないと、嬉しくないのも事実。結果的には、練習で実力をつけさせないといけないのだが、とても難しい。

 飽きさせないメニュー作り、技術が向上する内容、頭を使う要素を加えること、1つの練習時間は15分程度…試合になれば心のコントロールも入ってきて、集中させる方法、緊張のほぐし方、ハーフタイムのアドバイスの言葉… 指導者って頭が必要なんです。心も必要なんです。百聞は一見にしかず、サッカーの最低限の技術も必要なんです。

 根岸さんが伝えたいジーコの教えは深かった。サッカーには、体も頭も心も大切だということをジーコが言葉ではなく、心で発したことをしっかり受け止めていることがよくわかった。まさしく「心技体」。私もよく言っていたが、すべてがそろわなければサッカーはうまくならない。当然、指導者も同じだ。ベンチでふんぞりかえって口だけ動かしても、子供はうまくならない。むしろ、子供たちから教えてもらうことの方が多いのだから。学ぼう、指導者も!

▼【ジーコの教えを伝える者】